医療法人の出資持分、いくらで譲渡したらいいの?
最終更新日:2020年5月20日
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
「医療法人の出資持分を譲渡できることはご存知でしょうか?」
医療法人の経営基盤を強化するために、もしくは、相続税対策として、医療法人の出資持分を譲渡することは、実務上あることです。
それでは、いくらで譲渡したら良いのでしょうか?
そこで、今回は医療法人の出資持分の「値段の付け方」について、解説していきます。
※この記事は次の人にオススメです。
・出資持分の譲渡を検討している人
・いくらで譲渡したら良いか、価格が分からない人
誰から誰へ譲渡するかで、値段は違う
誰から誰へ譲渡するかで、値段の付け方は変わってきます。
(1)個人から個人へ
まず、出資持分を持つ個人が、別の個人へ譲渡する場合です。
結論から申しますと、「相続税評価額」を使います。
「『相続税評価額』って、相続や贈与の時に使うものではないの?」と思われるかもしれませんが、実務上、譲渡の時に使っても問題ありません。
相続も贈与も譲渡も、相続税評価額でOKです。
(2)個人から一般法人、一般法人から個人、一般法人から一般法人へ
今度は、個人と法人間、もしくは法人間で出資持分を譲渡する場合です。
一般法人はMS法人の場合が多いと思います。
法人が絡む取引については、所得税基本通達59−6又は法人税基本通達9-1-14の規定に従います。
売主側が「中心的な同族株主」であれば、小会社方式(時価を基準)で計算します。
重要なポイントは、「相続税評価額では譲渡しない」ということです。
少々専門的すぎる話になりますので、結論だけ押さえるようにしてください。
医療法人は絡まない
個人が持つ出資持分をその医療法人へ譲渡したい場合は、いくらにしたら良いでしょうか。
上記、個人から法人間の譲渡と同じ考え方でしょうか?
結論だけ申しますと、実務上、この取引は成立しませんのでご注意ください。
株式会社ではこの「自己株式の取得」というものができますが、医療法人は禁止されているため、できません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
途中、難しかったかと思いますが、「何でも相続税評価額を使わない」ということがポイントになります。
譲渡金額にお悩みの際は、専門家にご相談されることをオススメします!