病院やクリニックを支えるMS法人に合同会社はいかがですか?Q173

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

MS法人を持つ病院やクリニックはたくさんありますが、株式会社がほとんどだと思います。

ところが最近は「合同会社」が増えてきました。

株式会社からの移行を促す程ではありませんが、株式会社のMSとは少し違った魅力があるのは事実です。

「聞いたことはあるけど、内容まではちょっと・・・。」

こうした先生も多いと思います。

そこで今回はこれからMS法人設立を考えている先生向けに、「合同会社で作るMS法人」について解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです

・MS法人を株式会社か合同会社か、どちらで作るか迷っている先生

病院・クリニックと合同会社の関係

MS法人を合同会社で作るとどうなるのでしょうか。

合同会社の特徴は「定款が強い」ことです。

株主会社にある「株主総会」・「取締役」・「監査役」などは強制されていません。

株式会社が株主という多数の外部の人で成り立つ前提なのに対し、当事者間で利害関係を調整しながら業務を進めていく感じです。

合同会社は仲間内で始めるようなイメージです。

つまり、定款で自分たちの実態に合うルールを定め、自分たちのために運営していくような形を取ることができます。

実務上の各所で「本来はこうなるのが原則だが、定款で別の定め(ルール)ができる」ということになっています。

これが「定款が強い」ということです。

MS法人を合同会社で作るメリット

合同会社は株式会社と違い、設立の際の定款認証が不要です。

そのため、設立必要が登録免許税くらいで安く済むことはメリットのひとつです。

反対にデメリットは、病院のMS法人のように、ある程度独立している場合に若干株式会社よりも信用が劣ることがあります。

ただ、クリニックのMS法人のように独立した取引先がなく、1社専属であれば関係ないでしょう。

MS法人は合同会社で作るべきか

結論として、MS法人は株式会社と合同会社どちらで作るべきでしょうか。

今回は合同会社のメリットを中心に解説してきましたが、株式会社の株主総会や取締役を思い浮かべてください。

ほとんど親族のはずです。

株主間で利害関係が対立することや経営方針に意義を唱える人はまずいないと思います。

つまり、実務上は株式会社であっても不都合はないと思います。

そう考えると、どちらでも運営上は大きな違いはありません。

細かいこだわりがあり、定款自治による自由な運営設計にしたい場合は「合同会社」に、特にこだわりない場合は馴染みのある「株式会社」という認識で良いと思います。

顧問税理士にご相談の上、より良い方を選び、MS法人を設立・運営していきましょう!