医療法人の内部統制は心配ないですか?Q197
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
経営されている医療法人について、目が行き届いていますでしょうか。
もちろん、全てをご自身で把握するのではなく、「任せる」ことも大切ですが、やはり心配は尽きないと思います。
いわゆる「一人医師医療法人」であれば、先生をトップに全てを把握することは可能かもしれません。
むしろ、任せられる人がほしいと仰る先生もいらっしゃいます。
医療法人という多職種の方が集まる組織で、ミスや不正が出ないように、内部統制を強化する必要性を感じている先生は多いようです。
そこで今回は、「医療法人の内部統制」について、箇条書きで簡単に解説していきたいと思います。
※この記事は次の人にオススメです
・医療法人の組織を強化し、内部統制をしたい先生
医療法人の内部統制に係る確認項目
医業収入70億円以上(または負債総額50億円以上)であれば、次の事業年度から外部監査の義務が生じますが、そうでなくとも、内部統制は気になるところです。
ここでは、厚生労働省が示した基準を確認していきましょう。
1.法人全般
・社員総会及び理事会、監事や定款について、適切に開催・選任・実施されているか
・決済権限や決済ルールの明文化と実施
・ITシステムの管理
・コンプライアンスに関する規程の整備や職員への周知と教育 など
2.業務
(1)収益管理
診療報酬の請求管理や査定、窓口現金管理など
(2)債権管理
管理記録、未収金の催促や貸倒処理の方法など
(3)購買管理
発注・納品・検収の実施方法など
(4)固定資産管理
固定資産台帳の管理や売却・除却の手続き方法など
(5)資金管理
現金・預金の管理方法や実査方法など
(6)人件費管理
給与や賞与の計算・支払い、各種手当の認定など
(7)在庫管理
受払の記録方法、定期的な棚卸など
(8)業者管理
委託業務の内容や範囲、責任など
規程の整備
現状で、上記項目が網羅できていますでしょうか。
他にも決算に関する内部統制もありますので、顧問税理士とよく打ち合わせの上、進めていってください。
各項目に紐づくような規程の整備・実行も有効です。
組織が大きくなるほど管理しづらくなりますが、内部統制によって、より健全で強固な医療法人にしていきたいですね!