税理士が知っておくべき診療報酬改定2020年度

 

※最終更新日:2020年5月20日

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

2020年度の診療報酬改定が明らかになりました。

細かい解説は、厚生労働省のH Pで分かりやすく解説されていますので、そちらを参考にされると良いと思います。

大切なことは、病院やクリニックの顧問先に向けて、どの程度の影響が出るか、把握しておくことです。

そこで今回は、診療報酬改定のポイントや考え方について解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです。

2020年診療報酬改定の重要なポイントを押さえたい人

影響が大きいのは急性期一般入院料1

今回のメインテーマは「働き方改革への対応」と従来から続く「病床再編」です。

病床再編の方では、2018年の診療報酬改定は、入院基本料の抜本的な変更が行われました。

その影響もあり、今回は小粒な改定となりましたが、大きな影響があるかもしれないのが「急性期一般入院料1」です。

「基準2」が廃止されため、その影響でランクダウンする病院も増えそうです。

さらに、看護必要度1の対象ではなかった入院料2と3でも、看護必要度1の基準ができました。

入院料2や3へ移行しやすくなったと言えます。

この看護必要度の変更に注意が必要です。

(1)看護必要度について

急性期病院として求められる姿であるか、看護必要度を基準として評価されています。

それが、看護必要度の引き上げです。

A項目(医療行為)とC項目(手術)

評価日数が増加しました。従来の評価日数が実態よりも短かったこともあり、実態に合わせるよう長くなりました。

B項目(患者さんの状態)

ADLと介助の実施の有無を区分した評価となり、根拠となる記録が不要となりました。

これは看護職員の業務負担の軽減を目的としています。これにより、以前より記録業務以外の業務へ注力できるようになります。

今後も、従来の看護必要度1から診療実績データ(DPC)を用いた看護必要度2への移行が進んでいくことになり、看護部門の業務負担軽減を目指していくことになります。

また、必要度1と2ではある程度、差が出ます。1では記録漏れがないか、2では医事課データに上がっているのかを注意しましょう。

特に、看護必要度に影響するのはA項目とC項目です。

看護必要度の上では、在院日数が長くなりすぎないようにすることが大切です。

つまり、急性期が過ぎた時に転棟ができる入退院支援が鍵となります。

A項目は入院単価と比例関係にあることを押さえておきましょう。

(2)認知症ケア加算2とせん妄ケア加算の新設

「基準2」が削除されたことにより、これらの患者は加算で評価されることになります。

認知症患者がこれらも増加していきます。

その認知症患者に対応するための加算2が新設され、1〜3となっています。

病院としても研修等を通じて、対応力を高めていきたいところです。

(3)救急体制の強化

地域医療体制確保加算の新設(520点)

・救急車等の搬送件数2,000件/年以上等

今回のメインテーマである「働き方改革推進」のための原資ともなる加算です。

適切な労務管理を実施することを前提にしています。

救急搬送看護体制加算1の新設(400点)

・救急車等の搬送件数1,000件/年以上等

・専任の看護師が複数名配置されていること

従来の加算は2になります。

救急医療管理加算1(950点)・(350点)

共に50点増加しました。レセプトへの記載要件が増えています。

その他、働き方改革関連では、タスクシェアとして医師事務作業補助体制加算や急性期看護補助体制加算がアップしました。

もちろん、補助者の人件費の全額をフォローできるわけではないので、医師の生産性向上がポイントになります。

地域包括ケア病棟への制限

400床以上の病院に対し、締め付けが行われました。

地ケア病棟に対して、サブアキュート機能がより厳密に求められるようになります。

これは地域包括ケア病棟の本来の役割(サブ・ポスト・在宅)を求められているとも言えます。

院内転棟が多いケアミックス病院は影響が出るかもしれません。

(1)DPC病棟→地ケア病棟の場合、入院期間ⅡまでDPC算定

これにより、実際の転棟は入院期間Ⅱを目安に行うことになります。

地ケア1と2の点数は、多くの場合で入院期間Ⅱの点数より高くなっていました。

これが転棟の経済的メリットでもあったわけですので、この部分で減収になる病院もあります。

病床規模を問わず、急性期病院が併設する地ケア病棟では影響が出ると思われますが、地ケアで包括だったリハビリがDPCでは出来高となるため、増収となる病院も出ると思われます。

(2)自院内転棟60%以上は、入院料10%減算(400床以上)

院内転棟のみならず、サブアキュートとしての患者さんの受け入れ強化が大切になります。

また、400床以上の病院の新規の届出も不可となり、機能分化が明確となりました。

反面、200床未満の病院では、配置要件の緩和等、まだ順風といえる状況です。

回復期リハ病棟は早めの受け入れがポイントに

(1)入院料1 37→40

(2)入院料3 30→35

FIM実績値が上がりましたが、現場レベルではそれほど、影響はないようです。

これは、どれくらい回復しているかという要件になりますので、早めに患者さんを回リハで受け入れ、早期の転棟・早期のリハビリがポイントになります。

入院料1では、専任の管理栄養士の配置が義務化され、2〜6でも努力義務となりました。

リハビリ効果アップのためにも、栄養管理が重要ということになります。

栄養管理については、入院だけでなく、在宅などでも評価が拡充されるため、管理栄養士の採用が難しくなる可能性があります。

訪問看護は人材不足緩和なるか

(1)機能強化型訪問看護ステーションの見直し

(2)医療機関における質の高い訪問看護の実施

・機能強化1→7人

・機能強化2→5人

・機能強化3→4人

この看護職員の人数は従来通りですが、1と2については「うち1人を非常勤職員の常勤換算する」ことが可能になりました。

これによって、ひとつ上の報酬を算定できるケースも出てくると思います。

また、看護職員6割以上という基準ができていますので、PT等を中心の訪問看護は影響が出るかもしれません。

ポイントは入退院支援

今回の改正にかかわらず、急性期病院の絞り込みが行われています。

「急性期病院」としてのあるべき姿かどうか、これが評価の基準になっています。

そこで重要になるのが、ベットコントロール、つまり、入退院支援です。

これがしっかりできると看護必要度は安定し、病棟の看護師の負担軽減にもつながります。

看護師や社会福祉士等の確保が難しいケースもありますが、しっかり入退院支援加算を取っていく体制を作ることが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は2020年の診療報酬改定について、解説していきました。

全体的には小粒な改定でしたが、「急性期病院」をより明確にする改定だったとも言えます。

大病院が急性期を、中小病院は軽度急性期・急性期後、回復期、在宅等というように、機能分化し、連携が求められる流れが強くなりました。

取れる加算をしっかり取り、自院の経営を再確認する良い機会としましょう。

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