医療法人の短期貸付金はどうしたらいいの?Q219
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
先月は役員借入金(短期借入金)を返済していく話をしていきました。
今月は反対です。
医療法人から先生個人へお金の貸し付けをした話です。
ご存じの通り、医療法人からの貸付には相当の制限があります。
理事長先生個人へ単純な貸付をしている医療法人はほぼないと思います。
とはいえ、既に貸付金がある場合や制限のないMS法人ではどうでしょうか。
そこで今回はレアケースではありますが、先月との対比ということで「短期貸付金」について解説していきたいと思います。
※この記事は次の人にオススメです
・医療法人側における短期貸付金の回収を考えている先生
回収できる場合
まず、法人側で回収できる前提で考えていきます。
1.役員報酬を増額し、増額相当部分で回収していく
源泉所得税や社会保険のように、毎月の報酬から天引きしていくイメージです。
増額しているので手取りは維持できますが、当然、その増額部分には所得税等の税金が課税されます。
2.役員退職金と相殺する
役員退職金1億円、短期貸付金1千万とした場合に、相殺して差額の9千万円を支給するイメージです。(実際には他にも税金が天引きされます)
貸付金の方が少なければ、確実に回収できますが、反面、理事長先生の実入りは少なくなります。
回収できない場合
次に、法人側で回収できないと判断した場合について考えていきます。
1.債権放棄
「債権放棄」という選択肢もあります。
医療法人では実務上ほぼないと思いますが、考え方としては存在します。
この債権放棄をした場合には、「役員賞与」と認定され、法人の経費にはなりません。
個人としては役員賞与を受け取ったことになりますので、所得税や住民税が課税されます。
実務的には、実行しがたい方法かと思います。
2.理事長先生の個人財産を法人へ売却
個人財産を時価で売却して、貸付金の回収とする方法です。
当然、その財産がいくらに相当するかという時価が問題となります。
第三者間であれば当事者間で決めた売買価額となりますが、いわゆる特殊な同族関係者間であれば、その財産の種類に応じた税務上の評価額となります。(法人・個人問わず)
価額の評価額については、顧問税理士への相談が必須となります。
まとめ
医療法人の貸付金につきましては、そもそも医療法の規制があります。
その前提の上で、回収困難になるとこうした不利益も生じますので、短期貸付金が膨らむことがないようにしたいですね!
