一般社団法人と医療機関について考えるQ198

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

今回は「一般社団法人」について、解説していきます。

当事務所では「医療法人設立」書類作成やその提出に関しましては、提携先の行政書士の先生をご紹介させて頂いております。

知識と経験、ノウハウを当事務所で担当致します。

当然、「一般社団法人」での法人設立支援も同様ですが、提携先の行政書士の先生は積極的には対応していないそうです。

とはいえ、ご関心が高まってきていることは事実ですので、今回は一般社団法人を医療機関としてどう考えるか、解説をしていきたいと思います。

※この記事は次の人にオススメです

・一般社団法人と医療法人の違いが気になる先生

非営利型であること

「公益」認定を受けているものを「公益社団法人」といいますが、個人事業からの法人設立の際には認定を受ける必要はありません。

認定を受けていない一般社団法人のうち、「非営利型」というものに該当する必要があります。

(1)配当しない

(2)残余財産は国等へ帰属

(3)特別の利益の供与がない

(4)理事総数のうち、親族理事が1/3以下

これらを満たした定款の作成が必要になります。

ちなみに、理事には親族要件がありますが、社員(オーナー)には親族要件はありません。

収益事業のみ課税だが

これらに該当すると、非営利型の一般社団法人となります。

課税範囲は「収益事業のみ」となりますが、医療保健業は収益事業となっています。

届出制とはいうものの

実際には、保健所の許可が必要です。

しかも、いかに通常の医療法人の設立と同じような形であるかがポイントとなります。

一般社団法人の独自性を出すほど、許可が手間取ることが多いようです。

税金は変わるのか

(1)法人税

医療法人も一般社団法人も同じです

(2)事業税

医療法人は「特別法人」としての扱いですが、一般社団法人は「普通法人」です。

若干、税率は上がります。

(3)消費税

一般社団法人には、特殊は計算のルールが存在します。

補助金等の収入が多いこともあり、仕入税額控除の計算が独特です。

調整に該当する場合、消費税上の経費が少なくなります。

ただ、医療機関の多くは「簡易課税」の適用を受けていますので、その場合は影響ありません。

まとめ

実務上は、いかに「医療法人に寄せて作るか」ということがポイントになっています。

今後、医療機関において、一般社団法人に関する知識は必須となっていくのでしょうか。

個人的にはそうは思いませんが、専門家として相談に乗るために、その知識と実務上の取り扱いや事例等は必要になるかと思っています。