医師の相続税、税務調査で準備すること
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
一般的に、資産家と言われる医師にとって、相続税は非常に身近なものであり、そのご相談も大変多いものになります。
相続税対策は当然ですが、税務調査を心配される先生も多くいらっしゃいます。
「税務調査来たら、何を見られるの?」
「何を準備したら良いの?」
こうしたご質問をよく頂きます。
人間、知らないものは怖いですが、知っているものは怖くありません。
まずは、基礎知識を押さえておきましょう。
そこで今回は、相続税の税務調査で準備すべきことを「聞かれること」と「準備する資料」の2つに分けて、解説していきます。
※今回の記事は次の人にオススメです。
・相続税の税務調査で聞かれることを知り、準備しておきたい人
・相続税の税務調査で求められる資料を知り、準備しておきたい人
医師の相続税の税務調査で何を聞かれるか
主だったところを見ていきましょう。
(1)医療法人の出資持分について、所有者、出資額、異動があればその経緯など
持分ありの医療法人の理事長先生がその持分を所有しているのであれば、かなり高い評価額になることがほとんどです。
評価額の高い相続財産には、調査で注意しましょう。
(2)被相続人に関する基本情報のヒアリング
職歴や経歴(病歴含む)、住所の遍歴、相続人との関係、収入状況、平均的な生活費など、相続関係の基本となる様々な情報が収集されます。
一見、関係ないように思えるかもしれませんが、こうした事項はそのままお金の流れや金額の大小に影響するため、申告書の内容と照合して、違和感が出ることもあります。
調査官はそうしたことからも、ヒントを得ることになります。
(3)預金の管理者や通帳の保管場所について
相続税の税務調査の結果として、指摘が多いのが預金関係です。
預金の計上漏れや名義預金の問題は、非常に多く指摘されます。
特に、預金の計上漏れについては、税務署は情報を既に持っていますので、申告の際、漏れないように注意しましょう。
貸金庫の中なども注意しましょう。
(4)不動産の購入や売却について
被相続人にとって、大きなお金が動くタイミングが不動産関係です。
契約書や領収書などの資料は、しっかり保存してありますか。
特に、売却の際、得たお金は何に使ったのでしょうか。
「親族の誰かに渡していて贈与とされる」という可能性もありますので、注意しましょう。
(5)証券会社関係について
ネット証券を利用する方も多いため、把握漏れがないように注意しましょう。
相続税の税務調査に対し、準備しておく資料
上記と一部重複しますが、代表的なものをご紹介します。
(1)通帳
自宅の金庫や机・タンスの中は当然ですが、銀行の貸金庫の中も要確認です。
(2)契約書
不動産等の大きな金額の契約書は要確認です。
(3)生命保険の証券
生命保険も相続税の計算に含まれますので、当然準備しておきましょう。
契約内容の把握と見直しをしてきた先生にとっては、資料の準備は容易なことだと思います。
そうでない先生は、契約内容の把握と見直しを必ず行うようにしましょう。
(4)高価な貴金属や書画・骨董
現物確認をしておきましょう。
(5)ポイントは
自分自身の相続対策のためにも、まずは、「財産リスト」を作っておくことをオススメします。
自分で把握できなければ、相続人が把握できるはずがありません。
また、自分の財産を把握することは、相続対策の第一歩です。
「医療経営 中村税理士事務所」では、「財産の把握」→「税額の試算」→「対策の立案・実行」という流れでご提案させて頂いております。
名義預金と税務調査の実態について
医師に関わらず、相続税の税務調査については、名義預金をしっかり押さえておく必要があります。
また、税務調査の実態についても、把握しておきましょう。
この大事な2つの論点については、過去にこのブログで記載していますので、こちらをご覧ください。
Q111「相続税の計算と税務調査の重要ポイントはここだ!」
医師の相続税に対する税務調査も、備えあれば憂いなしですね!