医療法人などの税務調査には書面添付制度がオススメです
※最終更新日:2020年6月26日
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
私の元へ医療機関のお客様からの税務調査に関するご相談は、とても多いです。
「税務調査、うちは大丈夫かな?」
やはり、どの医療法人・開業医の先生も気になるところです。
そこで今回は、税務調査に関する各種のデータを見ながら、税務調査の近年の傾向とその対策について、解説していきます。
その有効な対策のひとつが、書面添付制度です。
実態が見えてくると、心配やストレスも全然違うものになりますので、ぜひ、確認してみてください。
※この記事は次の人にオススメです。
・税務調査に対する基礎知識を習得したい人
・税務調査対策に有効な書面添付制度を活用したい人
税務調査は増加&長期化傾向
近年の税務調査は、増加かつ長期化の傾向が見受けられます。
①調査件数
3年前と比較すると、法人税の調査件数は約1.5倍となっています。
②長期間に及ぶ調査
また、期間の面でもそれに比例するように、5日以上に及ぶ長期間の税務調査も1.5倍となっています。
③調査日数の平均
調査日数は、どれくらいが平均なのでしょうか。
2日で終了というのが1番多く、約50%です。
1日で終了が20%、逆に、3日以上が30%となっています。
納税者の負担も考慮し、短期間で終了してほしいものです。
④調査終了までの期間
3ヶ月以内が約80%となっています。
終了まで6ヶ月以上に及ぶ場合も約4%あります。
ご自身の税務調査の際にも、どれくらいの期間で決着するのか、参考になるデータです。
⑤税務調査の結果
申告是認(=指摘なし)は約20%となっています。
逆に言いますと、約80%は何らかの修正をしています。
さらに、そのうち約20%は重加算税という重い処分を受けています。
重加算税は防ぐことができるものです。
日頃からきちんと顧問税理士ご相談ください。
書面添付制度の活用を
税務調査には、書面添付制度で対応しましょう。
書面添付制度とは、税務調査の通知前に税理士が意見を述べる(意見聴取)機会が与えられる制度で、その意見聴取により、実地調査の必要がないと判断されれば、税務調査が省略されます。
納税者の負担を減らす意味でも、添付をオススメします。
それでは、意見聴取により「実地調査の必要がない」と判断される確率はどれくらいでしょうか。
それは、約50〜60%となっています。
税理士によっては書面添付をすることで別途報酬を請求する場合もあるため、この確率を高いと見るか低いと見るかは様々かもしれませんが、50〜60%の確率で実地調査を防いでくれるのであれば、十分効果のあるものと言えると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
修正申告に至る確率は、イメージよりも高かったのではないでしょうか。
その対策には、書面添付制度をオススメします。
書面添付制度で、実地調査を防ぎましょう。
また、当日の対応次第でも、結果は変わってきます。
お客様に立場に立ち、主張すべき部分はしっかり主張してくれる税理士を選ばれると良いと思います。