医療法人の自己資本比率の目安とは?

 

最終更新日:2020年5月14日

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

「自己資本比率」という言葉をご存知でしょうか。

財務分析の中で最も知名度が高いのが「自己資本比率」であり、それだけ重要性が高いと言えます。

株式会社ではよく使われるこの「自己資本比率」を、病院やクリニックなどの医療法人はどう使えば良いのでしょうか。

そこで今回は財務分析の代表格である「自己資本比率」について、その目安と比率を高める方法を解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです。

自院の財務上の安全性が増しているのか、把握しておきたい人

財務上の安全性がわかる

自己資本比率は、医療機関の財務上の安全性を図ることができる指標です。

算式:自己資本÷総資本(または純資産÷負債+純資産)

医療機関の総資本のうち、返済義務のない自己資本の占める割合を示します。

つまり、経営を動かす全ての「お金」のうち、自分の分はどれくらいかということです。

当然、比率が高ければ高いほど、安全性は高いということになります。

一般的には30%あると良いと言われる中、医療機関の統計データを見ると、40〜50%くらいが平均値となっています。

業界としての、財務上の安全性は高いといえます。

指標を改善するためには

金融機関から融資を受ける場合、自己資本比率も判断材料のひとつとなります。

当然、比率は高い方が貸す側としても安心です。

それでは、指標を改善するためにはどうしたら良いのでしょうか。

理想は、「利益の蓄積」を進めていくことです。

利益を蓄積していくことで自己資本は増えていきます。

また、運転資金を借りる必要もなく、借入金を順調に返済することができるため、やはり、自己資本比率は改善していきます。

1番簡単な方法は

利益の蓄積ができれば良いのですが、最も簡単な方法は「不要資産を整理すること」です。

病院やクリニックで持っている資産を見直してみてください。

使っていない資産や眠っている資産があるのではないでしょうか。

そうした資産を整理し、貸借対照表から外すだけで自己資本比率は高まっていきます。

決算前に確認するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

毎期の黒字・赤字も大切ですが、経営として安全な状態であることがもっとも大切です。

その財務上の安全性を図る指標として、この自己資本比率を確認するようにしましょう!