医療法人の貸借対照表の上手な見方とは

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

「損益計算書は毎月説明を受けているから分かるけど、貸借対照表はよく分からないんだよね。」

こうした先生がとても多くいらっしゃいます。

われわれ税理士もついつい業績報告として、今期の経営成績を示す「損益計算書」をメインに説明してしまいがちです。

ところが、「損益計算書」は今季の経営成績を示すのみですのが、経営母体として広い意味での「経営成績」は「貸借対照表」を確認する必要があります。

特にこのコロナ禍においては、貸借対照表が健全な先生は不安が少なく、気分的にも落ち着いて対処されていた印象です。

このコロナ禍で「貸借対照表」の重要性が増したと考えられます。

今回は、貸借対照表の見方や読み方を解説していきます。

医療法人だけでなく、開業医の先生も同様ですので、安心してご覧ください。

基本的な貸借対照表の見方や読み方は、過去にこのブログで解説していますので、「財務諸表」「財務分析」といったカテゴリーをご覧ください。

今回はより実践的に、医療法人の貸借対照表を見方について解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです。

貸借対照表の理論よりも実践を知りたい人

損益計算書をメインとした経営から脱却したい人

医療法人の貸借対照表の見方の最重要は財務分析

貸借対照表の実践的な使い方のひとつ目は、財務分析です。

財務分析をすることで、自院の本当の実力が表面化してきます。

いわゆる「◯◯率」というものです。

医療の世界にも「病床利用率」などがありますが、財務諸表(貸借対照表や損益計算書)を使って分析することを財務分析と言います。

たくさんありますが、細かいものはプロに任せて、先生方はこの3つだけでOKです。

(1)総資本経常利益率(経常利益÷総資本)

現状の元手(資本)で、どれくらいの利益を上げることができたのか?という指標です。

高ければ高い程、投下した資本に対して効率よく利益が上がっていることになります。

これを同業他社と比較しても良いのですが、ぜひ、自院の過去3年間の数字と比較してみてください。

本当の意味で、自院が成長しているのか分かります。

(2)自己資本比率(自己資本÷総資本)

現状の元手(資本)のうち、どれくらいが自己資本であるか?という指標です。

自己資本とは、貸借対照表の純資産と同じです。

逆を言えば、いかに借金体質ではないかということです。

毎期、利益を蓄積していけば、自己資本比率は上昇します。

逆に、借入に頼るようになると自己資本比率は下降します。

設備投資による借入で、一時的に下降する分には問題ありませんが、運転資金による借入の場合、なかなか戻せなくなります。

自院の財務状況を表す大切な指標のひとつです。

(3)医業収益経常利益率

これは、損益計算書を使いますので、今回の解説範囲である「貸借対照表」とは違いますので、割愛します。

過去解説していますので、こちらをご覧ください。

Q48「病院やクリニックの財務分析で大切な収益性とは?

他にも、貸借対照表を使った「流動比率」「固定比率」「固定長期適合率」などがあります。

この3つは資金繰りを見る大切な指標になりますが、資金繰りは「キャッシュフロー計算書」で説明を受けた方が、先生方にはわかりやすいかもしれません。

今回は上記の(1)と(2)を押さえておきましょう。

余裕のある方は、過去のブログで解説していますのでこちらでご確認ください。

流動比率はこちらです。

Q51「病院経営やクリニック経営の安全性はどう見るのか?〜流動比率〜

固定長期適合率はこちらです。

 

Q52「病院やクリニックの設備投資の可否に使う〜固定長期適合率〜

財務分析には、たくさんの指標がありますが、まずは貸借対照表から「総資本比率」と「自己資本比率」を決算後にチェックする癖をつけましょう。

医療法人の貸借対照表の見方の裏技は資金運用

貸借対照表にはもうひとつ、実践的な資金運用を見る機能があります。

資金運用とは、「どこで生まれたお金」を「どう使ったか」ということです。

損益計算書では、「儲かったか」ということしか分かりません。

医療経営をしていく上で、どうお金を生み出し、どう使って今に至るのかという考え方はとても重要です。

「なんかお金貯まんないよな」という先生には、必須の確認項目になります。

(1)どこで生まれたお金が

期首の現預金に、「経常利益+減価償却費+借入金増加額」を加えて考えます。

これらは全て、資金を生み出す要素です。

(2)どう使ったか

「法人税等+借入金の返済+設備投資+保険積立額」を使った金額とします。

この「生まれた金額」と「使った金額」の差額こそ、蓄積した資金であり、この(1)と(2)をバランス良く保つことが大切です。

良いバランスとは何でしょうか。

「法人税等+借入金の返済+保険の積立額」を「経常利益+減価償却費」でまかなう

「設備投資」を「借入金増加額」でまかなう

この状態を言います。

このバランスが崩れ、法人税等や借入金の返済自体を借入金でまかなうようになると、危険信号です。

目に見えて財務バランスが悪化していますので、早急に改善策を税理士と進めなければなりません。

決算時は必ず確認を

「医療経営 中村税理士事務所」では、決算時に必ず「貸借対照表」をじっくりご説明しています。

良い結果・良い傾向であれば、それは先生の努力の結果として、一緒に喜びたいと思います。

先生も安心できる瞬間です。

また、課題があれば、その課題を共有し、改善策を複数ご提案させて頂き、先生のお好きな策を共有していきます。

「貸借対照表」は過去の経営成績の蓄積です。

先生を褒めてくれる「友達!?」でもありますし、課題を教えてくれる「先輩!?」でもあります。

慣れれば、難しいことはありません。

まずは、税理士に貸借対照表を解説してもらうことから始めてみてください!

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