電子帳簿保存法の改正に、クリニックがやるべきことQ152
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
2022年1月より、電子帳簿保存法の改正が始まります。
「最近、よく耳にするよ」
先生方も耳にする機会が増え、でも何をしたら良いか、よく分からないという感じではないでしょうか。
電子帳簿保存法の改正については、ネット上に情報が溢れていますので、概要はそちらにお任せします。
ネットで概要を把握した後、または税理士等から説明を受けた後、クリニックに必要な部分を解説する形にしております。
この医療経営に専門特化したブログでは、「医療機関がやるべきこと」に集中して解説していきます。
さらに、医療機関の中でも、「病院」は人材が多く、マンパワーがありますので、対応は一般の事業会社とほとんど変わりません。
そのため、他の情報源をご参考にして問題ありません。
ここでは、マンパワーの少ない「クリニック」により限定して、解説していきます。
※この記事は次の人にオススメです。
・電子帳簿保存法の改正にどう対応すべきか分からないクリニックの理事長先生や院長先生
電子帳簿保存法の改正は電子取引情報に要注意
電子帳簿保存法とは、重要書類を電子化して保存する際のルールを決めた法律ですが、下記の3種類に区分することができ、(3)の電子取引情報に改正が入り、対応が求められています。
(1)帳簿(例:現金出納帳や仕訳帳など)
(2)書類(例:貸借対照表や損益計算書、契約書や領収書など)
(3)電子取引情報(例:重要なので下記に別記します)
①メールで受領した請求書や領収書
②HPからダウンロードした請求書や領収書
③クレカの利用明細データや交通系ICカードによる支払データ など
この「(3)電子取引情報」については、電子データで受領したまま保存することが必須となり、そのデータを廃棄して紙保存のみとすることができなくなりました。
「税理士に紙で渡したら、もういらないからデータは削除している」
こうした先生も多いのではないでしょうか。
これは選択制ではなく、職種の限定もありませんので、全クリニックが影響を受けることになります。
クリニックがすべきこと
紙のみで保存することが禁止なのは理解できたと思いますが、ここで問題となるのが「クリニックはこの電子取引情報をどう保存したら良いか」ということです。
デスクトップに貼り付けておくだけ・・・とはいきません。
これについては、次の記事で解説していきます。
ちなみに、上記「(2)書類」についても、今回の改正で電子データをスキャナ保存をする際の要件が従来より緩和されています。
ただ、クリニックの先生で、書類をスキャナ保存されている方はほとんどいないと思いますので、「従来より緩和された」と言われても、ピンとこないと思います。
この「(2)書類」については紙保存も認められていますので、対応が必須というわけではありません。
ご興味ある先生は顧問税理士にご相談ください。
次回は対応必須である「電子取引情報」を紙保存せず、電子データとしての保存のルールについて解説していきます。
お楽しみに!