自宅の土地の相続税は80%評価減とは限らない?

 

(最終更新日:2020年4月20日 2世帯住宅の取り扱いを追加しました。)

先生方とお話をしていると、「自宅の土地の相続税?80%減額されるんでしょ?」というお返事をいただくことがあります。

確かに、80%評価減という制度はありますが、適用される要件が狭いのです。

実際、先生方の場合、残念ながら適用できないケースが多いのです。

そこで今回は、ご自宅の80%評価減について解説していきます。

※この記事は次の方にオススメです!

ご自宅の土地の相続税が気になる方

当然、80%の評価減が受けられると思っている方

2世帯住宅にお住まい(又は建築予定)の方

意外と狭い適用範囲

個人が相続または遺贈(=贈与は対象外)により取得した被相続人の居住用の土地については、330㎡を限度として、80%の評価減となります。

330㎡を限度とするため、小規模宅地等といいます。

1億円の評価額であれば、8000万円減額されて、2000万円になります。

とは言え、この入り口の時点で土地の用途と面積に制限が出てきます。

そして、取得した人によって、3つに分類されます。

(1)被相続人の配偶者が取得

無条件で80%評価減の対象になります。ただし、2次相続(次の相続)まで考えると、必ずしも配偶者に相続させることが相続税上、有利とは限りません。

必ず、2次相続まで見越した上で、適用の有利不利を検討しましょう。

(2)被相続人の同居親族が取得

こちらも80%評価減の対象になります。(申告期限まで引き続き所有し、居住していること)

(3)被相続人の配偶者や同居親族以外の人が取得

下記の①〜③などを満たす必要があります。

被相続人の配偶者や同居している法定相続人がいない

相続開始前3年以内にその者(取得した人)、その者の配偶者や親族、その親族の特別の関係がある法人の所有する家屋に居住したことがない

その者が居住している家屋を以前に所有していたことがない

下記でも解説していきますが、2世帯住宅については、区分所有登記がなくても、「同居」していることには該当しませんので、

(1)の配偶者及び(2)の同居親族がいなければ、この(3)の適用を受けることができます。

現実的な適用パターンは

先生方が適用を受けようとする場合、そもそも同居していないので(2)はダメ、持ち家があるため(3)でダメ・・・というケースが多いです。

親の相続を前提とする場合、被相続人の配偶者が取得すれば適用を受けることができますので、検討すべきです。

ただし、配偶者から先生方(子供世代)へ降りてきた時、再び相続の問題が再燃しますので、そこまで見据えた上での相続財産の分割が必要です。

すでにどちらかが亡くなられていても、先生方が同居されていれば適用を受けることができます。

実務上は、先生は病院・医院に近いところにご自宅を所有されているため、ご兄弟が同居され、そのままご自宅を相続、ご兄弟の方で適用を受けるというケースもよくある形です。

2世帯住宅で適用を受けるためのコツ

続いて、実務上多いのが「2世帯住宅」の場合です。

先生がご両親と、もしくは、先生が御子息と2世帯住宅で住んでいるケースです。

2世帯住宅が建っている宅地等は、この「居住用宅地等の80%評価減」の適用を受けることができるのでしょうか。

まず、被相続人が住宅として使っていた部分の宅地等は、特例の対象になり得ます。

これまで見てきた「居住用宅地等」と同じです。

問題は、2世帯住宅のもう1世帯に対応する部分の宅地等の扱いです。

①1棟の建物として、その宅地等の全体が特例の対象になる。

②あくまでも別世帯であるため、被相続人の居住用宅地等には該当しない。

どちらでしょうか?

結論は、「区分所有登記」していないのであれば①に、区分所有登記しているのであれば②に該当します。

「区分所有登記」とは、「こっちが被相続人の家、あっちが親(又は子供)の家」と区分して登記していることを言います。

つまり、区分して登記しているだけで、別世帯に対応する部分の宅地等については、被相続人の「居住用宅地等」に該当しないことになります。

実務上は、区分所有登記をしないことが一般的ではありますが、これから2世帯住宅を建てられる方は注意しましょう!

※余談ですが、区分所有登記の代表的なものがマンションです。

一棟の建物を多くの他人間で区分して所有しているため、その宅地等について他人の影響を受けることはありません。

適用を受けることができない「ミス」を防ぐためには

この「特定居住用宅地等」の特例、そして次回解説していく「特定事業用宅地等」・「特定同族会社事業用宅地等」の特例(Q 47「病院で使う事業用の土地も80%評価減になるのか?」)のすべてに共通して言えることは、大変大きい節税効果であるため、確実に適用を受けなければなりません。

そこで、ミスを防ぐポイントを列挙してみたいと思います。

宅地等の利用者とその利用目的を明確にする

宅地等の取得者を確認する

事業継続要件と保有要件は守れているか

建物の利用者と所有者を確認する

地代家賃が発生しているか(有償か無償か)

この5つのポイントをしっかり確認すること、それがミスを防ぐことにつながります。

まとめ

基本的に、その宅地が生活の資本である方が、相続税のためにその資本である宅地を手放すことがないように救済するための措置というイメージです。

つまり、節税を最重視している制度ではないのです。

自宅は「80%評価減が受けられる」という先入観を持たないように、注意しましょう。

適用を「受ける」・「受けない」で大きな税金の差が出ます。

そして、適用を受けることは当然として、その受け方でも有利不利が出ますので、信頼できる専門家に相談すること重要です。

相続対策の一環として、一緒に取り組んでいきましょう!

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