医療法人の出資持分を譲渡して税引後手取りを最大にする方法Q137

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

医療法人の多くが「持分あり」であるため、M&Aの際には、「出資持分の譲渡+社員交代」という形式がほとんどです。

そこで心配になってくるのが、税金です。

「税金かかるの?」

税金はかかりますので、先生の手元に入るのは税引後の金額です。

「退職金たくさん支給して、譲渡価格を下げれば良いって聞いたことあるよ」

その退職金にも税金はかかります。

つまり、出資持分譲渡の際に生じる税金を退職金も絡めてコントロールすることが大切です。

今回は、出資持分譲渡に関する税金と退職金の関係について考えてみたいと思います。

持分なしの医療法人の先生についても、事業譲渡として解説を加えて行きますので、ご安心ください。

※今回の記事は次の人にオススメです。

持分ありの医療法人の先生(出資持分譲渡として)

持分なしの医療法人の先生(事業譲渡として)

医療法人の出資持分の譲渡か事業譲渡か

大きく分けてM&Aの方法(スキーム)は2種類ありますが、実務上はほぼ出資持分の譲渡となります。

その特徴と課税の仕組みをまとめていきましょう。

(1)出資持分譲渡

特徴

持分を所有する先生から買い手の先生へ譲渡することで成立します。

基本的に個人間の売買となります。

メリット

譲渡契約を交わし、社員交代するだけなので、比較的手続きが簡単です。

デメリット

売買前に精査することになりますが、帳簿に載っていない債務も引き継いでしまうことになり、買い手側はリスクも内在します。

課税関係

売り手は株式を譲渡したことになりますので、譲渡益に約20%の課税で完結します。

役員報酬にかかる税金(最大45%)と比べれば、相当低い税率です。

(2)事業譲渡

特徴

持分なしの場合、譲渡する持分が存在しないため、この事業譲渡の形をとることが多くなります。

買い手に対し、医療法人が営む事業を譲渡し、その譲渡対価は医療法人へ入金されます。

そして、その金額を退職金の財源として、引き出すことになります。

メリット

買い手側にとって取得する資産や債務を選択できるため、上記簿外の債務を承継するリスクが低くなります。

デメリット

税率が高くなることと、許認可を引き継げないため再認可が必要になる等、手続きが煩雑になります。

課税関係

法人として売却益に対し、30%程度の課税が生じます。

 

特に、譲渡対価が個人に入らない点や事業譲渡の手続きの煩雑さという点から、持分ありの場合には「出資持分譲渡」を選択することが一般的です。

出資持分の譲渡か退職金か

退職金は、税務上優遇されているという話をよく聞くと思います。

(退職金収入−退職所得控除)×1/2×税率(最大約55%)

退職所得控除という非課税枠をいったん無視すると、最大約55%×1/2=27.5%の税率なります。

対して、上記でも解説したように、出資持分の譲渡は約20%です。

27.5%>20%

退職金の金額の大きくなると、持分の譲渡よりも税率が高くなるということです。

退職金を多く支給すれば、税金を押さえることができるというのは誤解です。

ただし、退職金は支給した法人側で経費になり、法人側の節税につながります。

結論として、個人としての持分譲渡にかかる所得税、退職金にかかる所得税、そして支給した法人の法人税、この3つのバランスで成立することになります。

この3つのバランスの最適解はケースバイケースです。

ぜひ、顧問税理士に相談するようにしてください。

「医療経営 中村税理士事務所」でもセカンドオピニオンとして、個別相談をお引き受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

 

※今回は医療法人のM&Aについて、各論を見ていきました。

全体像を基本から知りたい方は、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。

Q134「将来の医療法人について、今知っておくべきこととは?

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