節税対策!年末の棚卸しで気をつけるべきポイント
※最終更新日:2020年6月26日
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
個人開業医の先生は、そろそろ棚卸しをされる時期になりました。
医療法人の場合にも、期末に棚卸しをされると思います。
棚卸しの結果次第でも、節税することができます。
「棚卸しが多いと税金増えるんだっけ?減るんだっけ?」
そんな医療機関の先生に向けて、今回は、節税対策として「棚卸し」について解説していきます。
※この記事は次の人にオススメです。
・棚卸しの結果と納税額との関係を理解したい人
棚卸しの結果と利益の関係
医業利益は、医業収益−医業費用で計算します。
そこに棚卸しが加わるとどうなるのでしょうか?
算式:医業収益−(医業費用−棚卸し)=医業利益
棚卸しは医業費用から除かれることになります。
棚卸しの分はいわゆる売上になっていないため、当期の費用としては認められません。
算式:医業収益−医業費用+棚卸し=医業利益
イメージが難しければ、このように把握していただいてもOKです。
棚卸しが節税になるためには
それでは、どうしたら棚卸しが節税になるのでしょうか?
それは、無駄な在庫を抱えないことです。
期末に向けて、在庫を適正化していきましょう。
実務上、よく見かける間違ったケースが2つあります。
(1)節税のために、期末に駆け込みで薬品や診療材料費を購入し、経費を増やそうとするケース
結局、駆け込みで購入しても年度内で使い切れないかったものについては、経費から除かれてしまいますので、まったく意味がありません。
薬品や診療材料の駆け込み購入は、節税対策になりません。
事業年度末3ヶ月前くらいから、適正在庫を心がけていきましょう。
(2)棚卸しの金額を減らすために、使用したことにしてしまうケース
棚卸しは経費の除外項目のため、損した気分になる先生もいらっしゃるようです。
確かに、使用中のものは棚卸しの対象になりませんが、都合よく拡大解釈をしてはいけません。
薬品や診療材料には、ある程度、使うスパンがあります。
通常、2ヶ月に一度のペースで購入しているものを期末で購入すれば、当然、棚卸しの対象になっていないとおかしいことになります。
特に、高額の薬品や診療材料はカルテなどから、その使用を確認することもできます。
税務調査では、こうした観点からチェックが入ることもありますので、棚卸しの段階で調整することがないように、やはり、事業年度末3ヶ月前くらいから、適正在庫を心がけていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
経費の除外項目である「棚卸し」。
節税対策として、その使い方を間違えないようにしたいですね。