クリニックのデューデリジェンス にはどれくらいの期間が必要か?Q148
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
シリーズで解説しているクリニックのデューデリジェンス ですが、今回は「期間」についてです。
「どれくらいの期間でデューデリジェンス をしてくれますか?」
前回の「費用」についで多いご相談です。
確かに、承継日から逆算してスケジュールを考えますので、「これくらいで仕上げてほしい」というご希望はあると思います。
そこで今回は「デューデリジェンスの期間の考え方」について解説します。
※この記事は次の人にオススメです
・デューデリジェンス を検討している人
デューデリジェンス に必要な期間とは
まず大前提として、事業規模に応じて相当変わってきます。
例えば、卸や業者に対する買掛金の確認をするケースをイメージしてください。
先生おひとりで経営されている医療法人であれば、財務諸表に影響のあるメインとなる3〜5社程度で済みますが、中小病院であれば20社程度になることが多いです。
これだけでも必要となる時間が変わります。
今回は弊所がメインとするクリニックを想定して解説していきます。
もう1点、必要となる期間に大きな影響を及ぼすのが、財務諸表の中身です。
財務諸表には資産や負債など様々な項目が掲載されていますが、特に土地・建物の有無で変わります。
土地・建物はその評価のみならず、権利関係も含め、時間をかけて確認する必要があり、場合によっては不動産だけ切り離して「不動産DD」が必要となる場合もあります。
逆を言えば、テナント開業の先生の場合は土地・建物を所有していないため、こうした時間を大きくカットすることができ、結果としてデューデリジェンス の期間を短くすることができます。
また、近年増加傾向である「ご年配の先生の引退による承継」である場合、資産がほとんど残っていないことが多く、同じく、短期間で完了しやすいことになります。
こうしたデューデリジェンス に必要な時間(工数)に応じて、その期間が決まることになります。
具体的なデューデリジェンス の期間のイメージは
一般的な期間の考え方も例示しておきます。
算式:「作業担当者数×作業日数(事前確認+当日対応+事後処理+最終報告)」
当日対応は、クリニックであれば1日〜2日という所が多いようです。
そして、デューデリジェンス 当日対応から事後処理を経て、最終報告までは1週間〜2週間程度、という所が多いと思います。
ここを短縮するコツがあります。
それは、事前確認の際、しっかり資料を用意することです。
つまり、デューデリジェンス 当日には大部分を確認済の状態にしておいてもらうことです。
デューデリジェンス にはどうしても被買収側の理事長先生とその顧問税理士に直接確認しなければならないことがありますが、それ以外、事前の資料チェックで完了できる部分もたくさんあります。
早期にデューデリジェンス を完了させるためにも、必要な資料を事前にリスト化してもらい、早めに提出し、確認しておいてもらうことをお勧めします。
医療経営 中村税理士事務所では
弊所では、クリニックのデューデリジェンス について、「事前確認〜当日対応〜事後処理〜最終報告」まで時間にして30時間程度、期間にして3週間程度(繁忙期を除く)を基準にしております。
必要な時間と期間につきましては、どれくらい深いデューデリジェンス が必要な案件かにもよりますので、まずはデューデリジェンス 対象会社の財務諸表の確認から始めていきましょう。
たっぷりと時間と期間(=費用)をかけてのデューデリジェンス が主流の中で、見るポイントを絞った軽装備(=短時間かつ短期間)のデューデリジェンス に対するニーズの高まりを感じています。
一般事業会社と同じレベルのデューデリジェンス が必要でしょうか。
弊所ではどちらのデューデリジェンス にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
※クリニックのデューデリジェンス に費用については、こちらをご覧ください。
・Q147「クリニックのデューデリジェンス にかかる費用(報酬)とは」
※クリニックのデューデリジェンス の基本については、こちらをご覧ください。