区分記載請求書等保存方式は、病院・クリニックでも必要か?

 

※最終更新日:2020年6月4日

令和元年10月1日より、消費税が10%となりました。

その増税とセットで、区分記載請求書等保存方式がスタートしているのをご存知でしょうか?

「区分記載請求書等保存方式って何?」

こうした先生も多いと思います。

10%になることは広く国民に関係する話なので、連日ニュースでも報道されていましたが、区分記載請求書等保存方式は事業者にしか関係がないため、ニュースでは全く取り扱われていませんでした。

そこで、医療機関の目線から、この「区分記載請求書等保存方式」にどう対応したら良いか、解説をしていきたいと思います。

※この記事は次の人にオススメです。

区分記載請求書等保存方式に対応できていない医療機関

区分記載請求書等保存方式とは

令和元年10月1日から令和5年9月30日までの間、税率の異なるごとに区分して経理をする必要があります。

軽減税率がスタートし、8%と10%が混在していますので、「ちゃんと8と10で区分してね」というものです。

「そのつもりだよ」という医療機関も多いと思いますが、それを新ためて制度化したものになります。

結論から申しますと、「帳簿や請求書は従来記載していたことに加え、①軽減税率の対象であるもの、②税率ごとの合計額の2点も新たに記載してね」というものです。

確かに、このルールがないと、①どれが軽減の対象となるのか、また、②軽減の対象となったのはいくらだったのかということが分かりません。

帳簿を記載するとき(=会計ソフトに入力するとき)や請求書を発行するときは、この2点も追記するように注意しましょう。

ただし、飲食店や雑貨屋さんであれば、発行する請求書に8%と10%が混在することは十分あり得ますが、医療機関であれば軽減の対象となる飲食料品はあまり出てきませんので、そう気にする必要はないかもしれません。

病院内の売店など、軽減の対象となる飲食料品を扱う際は、ご注意ください。

様式は自由

この区分記載請求書等保存方式に適合した請求書ですが、雛形に決まりはありません。

医療機関にとって都合の良い形式でOKです。

国税庁などにも見本が数種類上がっていますので、参考にしてもいいですし、コンピューターをバージョンアップしていただけば、そのメーカーで対応した雛形になっていると思いますので、ご確認ください。

適合していない請求書を受け取ってしまったら

10月からスタートしたこの区分記載請求書等保存方式ですが、小規模事業者だとまだ対応していないケースも見受けられます。

その場合には、受け取った皆様の方で、8%と10%の区分を追記して良いことになっています。

受け取った請求書を受け取った側で追加記載するのは変な感じがしますが、新制度ということもあり、認められています。

まとめ

この区分記載請求書等保存方式は、令和5年9月30日までの4年間となっています。

では、その後はどうなるのでしょうか?

令和5年10月1日からは「適格請求書等保存方式」というまた新たな制度が開始になります。

その新制度については、次回解説していきますので、まずは今回の「区分記載請求書等保存方式」をご確認した上で、次回へお進みください。