医療法人設立年の税務のポイントとは?Q213
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
今回のテーマは医療法人の設立です。
その中でも、特に設立年に絞ってみていきます。
個人事業から医療法人設立の切り替えともいえる「設立と廃止」で様々な税務の論点が発生します。
どうしても許認可関係が重視されますが、税務も落とし穴がたくさんあります。
そこで今回は「医療法人の設立の年」について、次回は「個人事業の廃止の年」について、2回連続でこの特有な論点を解説していきます。
※この記事は次の人にオススメです
・医療法人設立中もしくは検討中の先生
医療法人設立年の繰延資産
設立年の代表的な繰延資産を2つピックアップします。
①創立費・・・創立時の設立費用など(例:定款認証手数料、司法書士報酬、登録免許税)
②開業費・・・設立後実際に開業するまでにかかった準備費用(例:許認可費用)
注意点が2つあります。
開業前の家賃や給与、光熱費等は通常の経費に該当します。
そして、これらの費用の多くは個人事業時代の通帳から支払うことが多いので、個人事業の経費にしてしまいがちですので、気をつけましょう。
医療法人設立年の減価償却費
医療法人として新設されたとしても、個人事業で使っていた資産を使用することになるので、中古資産と考えます。
それによって、減価償却費を計上する期間が短縮され、経費の金額を多くすることができます。
また、償却率も調整していくことになりますし、償却方法も定額法メインから定率法メインへ変更になります。
これらも耐用年数と併せて注意しましょう。
医療法人設立年の月数按分で枠が狭くなるもの
医療法人の設立年については、12か月でないことがほとんどです。
そのため、12か月を前提とした規定は月数按分が必要となります。
1.軽減税率
いわゆる中小企業向けの法人税率が800万円まで15%で良いというものです。
それを超える部分は23.2%に上がります。
〇800万円×(事業年度の月数/12)
2.少額減価償却資産の年間上限
30万円未満であれば1度で経費になるというものです。
こちらは年間300万円が上限ですので、病院くらいかと思いますが、月数按分が必要です。
〇300万円×(事業年度の月数/12)
3.交際費の経費の上限
設立当初の持ち分なし医療法人であれば、年間800万円まで経費に入れることができます。
この800万円のラインも月数按分が必要となります。
〇800万円×(事業年度の月数/12)
※その後、内部留保が一定ラインを超えることで、社外飲食費の50%のみということになります。
まとめ
上記以外にも、寄付金を経費に入れるラインも調整が必要です。
これらのように、設立年に限って・・・というルールが多く存在します。
節税を意識して、医療法人を設立された先生も多いと思います。
せっかくの税メリットをロスしないように、注意したいですね!
次回は個人事業の廃業年の方を解説していきますので、併せてご確認ください。
