MS法人での自己株式の活かし方とはQ207
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
今回も前回に引き続き、自己株式を解説していきます。
前回触れることができなかったみなし配当を中心に見ていきましょう!
※この記事は次の人にオススメです
・MS法人で自己株式を有効して課題解決したい先生
最大のネックはみなし配当
前回は自己株式の取得について、メリットを中心に解説していきました。
今回は最大の懸念事項である「みなし配当」です。
これは、「配当とみなして所得税を課税しますよ」ということですが、上場株式ではないので、
総合課税(給与等と同じ)となり、最大45%の税率で所得税が課税されます。
どの部分が配当かというと、法人から交付された金銭を「元本払戻部分」と「利益の配当部分」に区分して、「利益の配当部分」を配当とみなして課税されることになります。
「元本払戻部分」の方は株の譲渡として損益が出れば課税対象になり得ますが、よくあるオーナーからの自己株式の取得であれば、自分で出資して、自分で払い戻すので、譲渡損益は発生しません。
法人からいくらで交付するのか
自己株式の取得に応じて交付された金銭のうち、一定部分がみなし配当として課税されるわけですが、そもそもいくらで株主へ交付するのでしょうか。
これは「時価」で交付することになり、その時価は通常の1株当たりの株式評価額とは少し違います。
「小会社方式」を基準にいくつかの調整を行った上で、10%程度のディスカウントを検討したりします。
この辺りは事前に顧問税理士と打ち合わせて、事前に詰めておきましょう。
実際には通常の1株辺りの株式評価額よりも高くなることが多いので、注意が必要です。
みなし配当が高くなりすぎるのであれば、評価額を抑える対策が別途必要です。
最後に
今回はデメリットを中心に解説してきましたが、次回もう一度、メリットに戻りたいと思います。
それは相続税を考える上での「納税資金対策」に使えるということです。
このポイントはまた次回以降タイミングを見て、解説していきたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願い致します!