医療法人の基金の返還を忘れていませんか?Q 189

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

持分なしの医療法人において、基金はどうなっていますでしょうか。

医療法人を設立した際に、「基金」として計上したアレです。

個人事業から出資した資産と負債の差額・・・という認識かと思います。

「もう忘れてた」

という先生も多いかと思います。

アレは出資した先生に返還できますが、ついつい忘れがちかと思います。

そこで今回は「基金の返還」について、考えていきましょう。

※この記事は次の人にオススメです

・持分なしの医療法人で基金制度を採用している先生

医療法人の基金の返還とは

基金は返還することができますが、その返還に際して、いくつかルールがあります。

(1)定款の定めに従う

(2)返還限度額の制限がある

(3)定時社員総会で決議する

ひとつずつ見ていきましょう!

定款の定めに従う

基金の返還に関しては、各医療法人の定款にその定めがありますので、まずはそちらをご確認ください。

モデル定款を遵守したものだと、「当該会計年度の次の会計年度の決算の決定に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り〜」となっているものをよく見かけます。

返還のタイミングを規定しているわけですね。

まずは、医療法人の定款を確認してみましょう。

返還限度額の制限がある

返還するにもその返還原資がなければ、始まりません。

ない袖は振れないわけです。

これも定款に記載してあるはずです。

「ある会計年度の貸借対照表上の純資産額が基金と時価評価した純資産額の合計額を超える場合に〜」となっていたりします。

つまり、基金を返還しても経営が揺るがないレベルで、内部留保(繰越利益剰余金)が貯まっている必要があるということです。

実際の返還後には、この繰越利益剰余金を「代替基金」という科目に振替をして、明示します。

財務諸表の上でも、基金の返還を行ったことが分かります。

定時社員総会で決議する

ポイントは「定時」ということです。

基金の返還をしたいがために、臨時で社員総会をしてもダメということです。

上記の期日や内部留保の基準を見ても分かるとおり、計画的に予定・実施することが大切です。

まとめ

基金の返還は、拠出した理事長先生にとって、個人資金の還元を意味します。

医療法人が育ったことを実感しつつ、個人資金を手にすることができます。

細かなルール(基準)がありますので、事前に確認し、計画的に実施しましょう!