医療機関が使うべき助成金まとめ
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
「うちが申請できる助成金って、何かないですか?」
こうした相談をしたことがある医療機関や介護施設の方も多いと思います。
助成金の専門は社労士ですが、社労士から助成金の提案はありますでしょうか。
「医療経営 中村税理士事務所」では、顧問社労士から提案がない顧問先に対しては、「こうした助成金がありますよ」とご提案させて頂いております。
もちろん、実際の手続きは社労士にお願いすることになりますが、提案がなければ知ることもないため、補助金と並び、こうした提案は大変喜んで頂けます。
そこで今回は、医療機関や介護施設が使える助成金を3つに絞って、ご紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
※この記事は次の人にオススメです。
・医療機関や介護施設が使える助成金を知りたい人
・助成金の提案が欲しい人
医療機関が申請できるコロナ対策としての助成金
3つに絞る上で、有効な選択基準が「コロナ対策・コロナ特例」があるかどうかです。
当然、医療・介護業界もコロナの影響を受けているわけですから、重要な助成金には「コロナ対策・コロナ特例」を設けて、使いやすくしています。
そこで、下記3つの助成金を押さえていきましょう。
(1)雇用調整助成金
休業して休業手当を支給した事業者に対し、休業手当を補填する助成金です。
(2)緊急雇用安定助成金
雇用調整助成金では対象にならない雇用保険一般被保険者以外の人を対象とした助成金です。
(3)小学校休業等対応助成金
小学校等が臨時休校になり、出勤できなくなった職員のために、法定以外の有給を付与した事業者に対し、その法定以外の有給を補填する助成金です。
医療機関と雇用調整助成金
2020年3月頃、厚労省が医療機関向けに「コロナ対策」のチラシを作成しました。
その対策のうち、助成金で唯一ランクインしたのが、この雇用調整助成金です。
その申請件数は8月になっても衰えず、まだ申請手続き最中の事業体が多く存在します。
こうした実情を踏まえ、特例期間が9月30日→12月31日まで延期となりました。
特例期間で代表的な措置は下記のようなものになります。
(1)助成率
2/3(中小)・1/2(大企業)→10/10(中小)・3/4(大企業)
※解雇等を行わず、雇用維持している場合
(2)日額上限額
8,330円→15,000円
これらにより、医療機関や介護施設は少ない自己負担で休業手当を支給することができます。
これから休業する医療機関や介護施設は少ないかもしれませんが、これから申請する方はまだまだいらっしゃるかと思いますので、しっかり申請するようにしましょう。
医療機関と緊急雇用安定助成金
雇用調整助成金は雇用保険の一般被保険者を対象にしますので、アルバイト等は従来対象となりませんでした。
そこでコロナ対策として、雇用保険一般被保険者以外の方を対象としたのが、この緊急雇用安定助成金です。
雇用調整助成金と似ていますが、申請は別々にすることになります。
こちらも、社労士にご相談のうえ、しっかり申請するようにしましょう。
医療機関と小学校休業等対応助成金
職員様にとって、有給は非常に大事なものであり、大切にしている権利です。
ところが、小さい子供が休校で家にいると、出勤できず、仕方なく有給消化し、なくなったら欠勤扱い・・・ではかわいそうです。
そこで、法律上の義務ではありませんが、法定(労基法)以外に有給を与えてあげることで、職員様は安心して子育てをすることができます。
これだけと、その有給に関する費用は事業体の持ち出しになりますが、その持ち出しを補填してくれるのが、この「小学校休業等対応助成金」です。
国から見ると、「助成金を出すので、しっかり休暇を与えてほしい」というものです。
法律上の義務ではないので有給を設けない事業体もありますが、職員様のためにも、助成金の受給を前提として、法定以外の有給の付与を検討してみてはいかがでしょうか。
こちらもコロナ特例が延期になっています。
休暇取得期間が9月30日までだったのが、12月末まで延期になると発表されています。
これから休暇をとるケースも対象になりますので、覚えておきましょう。
まとめ
助成金は基本的に雇用に対するものが多く、人的産業である医療機関や介護施設にとっては知っておかなければなりません。
同じ財務体質である医療機関等であっても、助成金を有効活用して職員様に還元できている所と、助成金を活用できず全部自己負担になっている所を見かけます。
この差は非常にもったいないものです。
アンテナを高く広げ、情報をキャッチアップすると同時に、顧問社労士からしっかり提案を受けるようにしましょう。
最後に、助成金の大前提をお話しします。
雇用に関する助成金の申請は、労務管理がしっかりしていることが大前提です。
就業規則が形骸化している・勤怠管理をしっかりしていない等・・・では、受給できません。
まずは、職員様のためにも、また、将来の問題回避のためにも労務管理はしっかり確認しておきましょう。
特に、クリニックや小規模の介護事業者のお客様にその傾向が見受けられます。
助成金申請を念頭に入れながら、まずは、就業規則のメンテナンスから相談してみてはいかがでしょうか。