確定申告の留意点とは〜令和5年分〜Q191

 

こんにちわ。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

今年の確定申告も佳境を迎えておりますが、令和5年分の確定申告から適用になっている税制ご存知でしょうか。

昨年末の令和6年度税制改正は、この令和5年分の確定申告には関係ありません。

つまり、令和5年度以前の税制改正の中から、この令和5年分以降適用になるものをまとめておく必要があります。

毎年書いておりますが、今年も確定申告の留意点「令和5年版」を解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです

・令和5年確定申告を行う先生(特に個人開業医の先生)

2割特例

インボイス制度に関する消費税の話です。

昨年免税事業者の方を中心に大騒ぎでしたが、消費税の納税義務者ではない患者様を相手とする医療機関にはそれ程話題になっていませんでした。

ただ、実際始まってみると、意外と患者様から問合せや請求書発行の依頼があったようで、面倒だなと感じた先生も多かったようです。

中でも、インボイス制度対策のために、免税事業者から課税事業者になられた先生は今回が初めての消費税を納める確定申告になりました。

そこで登場したのが、この「2割特例」です。

消費税の複雑な計算方法を知らずとも、売り上げにかかる消費税の2割で良いというものです。

もともと2年前の課税売上(=自由診療など)が5千万円以下の先生は「簡易課税」というその名の通り、簡易な方法で計算していましたので、計算自体は難しいものではありませんでした。

ただ、この2割特例で消費税を計算すると、仮に簡易課税の適用を受けた場合と比較して、消費税額が低くなります。

インボイスの影響で課税事業者となり、消費税の課税事業者になっている時点で増税なのですが、こうした特例を使って少しでも納付税額を抑えることができるといいですね!

また、この場合には課税期間も登録日である令和5年10月1日から12月31日までとなりますので、ご注意ください。

賃上げ促進税制の改正も令和5年分から

他には、「賃上げ促進税制」の改正も、個人開業医の先生は令和5年分の確定申告から適用となります。

控除率が40%に拡大

教育訓練費の明細は提出義務から保存義務に

人件費が増えがちな医療機関にはマストの節税対策になりますので、教育訓練費の要件にも注意しながら、最大限の控除率を取れるように準備しておきましょう。

その他、住宅ローン控除の手続きが簡単になったりというところです。

最後に

最新の税制改正の発表も大事ですが、実際に今年から適用となる改正も大事になります。

ぜひ、顧問税理士にまとめてもらい、適用漏れのないにしましょう!