医療法人の解散ってどんな感じ?Q 194
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
※6月の更新が遅れまして、失礼致しました。
医療法人の解散に関するご相談を頂くことがありますが、当事務所では既存の顧問先様以外の解散についてはお引き受けしておりません。
先生方のある意味「ゴール」である解散まで、現顧問税理士が責任を持ってご対応すべきと思うからです。
とはいえ、毎回お断りすることは心苦しく、このブログ記事としてご対応させて頂くことに致しました。
正直、解散は個々で事情が異なるのですが、手続きを中心とした流れでしたら変わりませんので、ご参考にして頂けましたら幸いです。
※この記事は次の人にオススメです
・医療法人の解散を検討されている先生
医療法人の解散は許可がいる
前提として、医療法人の解散理由によって、手続きが違います。
大きく分けると
・都道府県に「許可」をもらう必要がある
・「届出」を提出すればよい(=許可は不要)
ということです。
実務上、多い解散理由は「社員総会の決議」です。
つまり、辞めざるを得ないのではなく、ご自身の意図で辞める場合です。
その社員総会の決議については、総社員数3/4以上の決議が必要になりますが、身内社員が多いと思いますので、ここは問題ないでしょう。
まずは医療法人の社員総会の決議から始まる
おおまかに流れを見ていきましょう。
1.社員総会の決議
2.解散認可申請書を都道府県へ提出
3.認可後、解散登記(解散登記の完了届を都道府県へ届出)
4.清算法人へ移行(清算人の就任についても登記し、都道府県へ届出)
5.清算結了後、清算登記(結了の届出を都道府県へ提出)
このように、登記と届出を繰り返します。
まとめ
実際には清算中に諸問題が生じることもありますが、「解散する」と決めるまでが大きな山になるようです。
都道府県へ出す必要書類や解散についての認可のタイミングなど、所在地の都道府県によって異なりますので、確認の上、進めていく感じになります。
近年ではM&A市場が成熟し、親族間での事業承継がうまくいかない場合においても、解散よりも事業譲渡を選択することの方が増えてきました。
顧問税理士としましても、まずは事業承継・事業譲渡を優先して考えております。
先生方の様々な選択肢の中から最後の1手として、解散について頭の片隅にあっても良いかと思います。
納得できる「ゴール」をお迎えできるように、願っております。