医療法人における社員の意外な怖さとは?

 

最終更新日:2020年5月19日

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

「自院も医療法人だけど、医療法人制度ってよくわからない」

「医療法人だと節税になるのは知っているけど、他のルールは知らない」

こうした先生が多いのもうなずける程、医療法人には特有の論点がたくさんあります。

そのひとつとして、「社員」というものがあります。

株式会社の「株主」とは違うのでしょうか?

まずは、「社員」について学んでいきましょう。

意外に怖い存在です。

そこで、今回は医療法人の社員について、比較対象として「理事」と併せて解説していきます。

※この記事は次の人にオススメです。

医療法人制度の中から、実務上押さえておくべきポイントを理解したい人

社員の怖さを把握しておきたい人

社員とは

医療法人における「社員」とは、いわゆる職員さんのことではありません。

医療法人の所有者とも言うべき存在で、その点では株式会社の株主と並ぶ存在です。

そのため、医療法人の中心となる非常に大切な事項について、社員総会で決議し決定します。

例えば、役員の選任・解任や医療法人の合併・解散などです。

法人運営の根幹とも言える内容です。

逆に、理事とは医療法人の経営を担う存在です。

そのため、理事会で医療法人の業務の執行に関する事項を決定します。

社員総会の運営が特徴的

医療法人を運営する上で、特徴的なことの一つに「一人一議決権」が挙げられます。

そのため、社員総会においては、重要事項の決議が社員の頭数で決まってしまいます。

株式会社の場合は、株主によって議決権が違いますので、頭数だけでは決まりません。

ここに、医療法人運営の難しさがあります。

それは、「乗っ取り」も可能であることを意味します。

例えどんなに、理事長先生に力があったり、出資額を多額に持っていても、社員総会では「一議決権」を持っているに過ぎません。

だからこそ、社員の人選・任命は非常に大切になります。

特に近年増加しているある程度の「公益性」を重視する医療法人においては、親族中心の経営が難しくなっています。

ぜひ、注意するようにしてください。

社員の注意点はまだある

医療法人の社員について、もうひとつ問題となることは「退社時における出資払戻請求権の行使」です。

この退社時における出資の払戻しが多額になることを恐れ、持分のない医療法人への移行が進んでいます。

出資持分を持つ社員が退社(喪失)した場合の話ですので、そもそも、社員ではない出資者(=法人の出資者など)には払戻請求権はありません。

(但し、出資者として、解散した場合の残余財産の分配権はあります)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

意外と怖い医療法人の社員という存在。

理事長先生ご自身と親族だけが社員であれば安全ですが、その社員が持つ出資持分が相続等により関係の薄い人へ流れていくようなケースが危険です。

ぜひ、早め早めの対策を取るようにしましょう。

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