医師はどのように資産運用したら良いのか?〜イデコ編〜

 

※最終更新日:2020年5月26日

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

「資産運用って言っても、何をしたら良いのだろう?」

こうした先生に向けて、「資産運用」に記事を書いています。

前回のQ 35「医師はどのように資産運用したら良いのか?〜つみたてNISA編〜」では、具体的な資産運用として、株式投資信託をオススメし、運用形態として、「つみたてNISA」をオススメしました。

今回はもうひとつの運用形態として、イデコ(iDeCo)」をオススメします。

もちろん、つみたてNISAやイデコを使わなくても、株式投資信託をすることはできます。

ただし、これらの制度を利用して投資信託商品を購入すれば、節税効果を得ながら運用できますので、使わない手はないわけです。

※この記事は次の人にオススメです。

何から資産運用を始めたら良いのか、迷っている人

iDeco(イデコ)を検討している人

イデコの制度の概要

投資期間60歳まで(運用自体は10年間延長可)

運用結果によって、将来の年金受給額が増減する

掛金は全額所得控除(自営業者は81.6万円/年)

運用益は非課税

60歳まで引き出し不可能

このような特徴があります。

③と④がメリット、⑤がデメリットです。

あくまでの「第2の年金」・「老後の資金作り」というものです。

メリット

一言で言えば、「節税効果を得ながら、資産運用できる」という点です。

③は掛金を払う毎年、④は運用益が出た段階において、ともに税メリットがあります。

そして、受け取る段階においても、一括で受けることで、「退職金」扱いとなり、退職所得控除がとれ、こちらも節税効果が高いものになります。

また、一括でなく、年金形式で受け取ることもでき、この場合は「公的年金等控除」がとれ、一定の節税効果が望めます。

デメリット

こちらも一言で言えば、「あくまでも老後のための年金である」という点です。

⑤にあるように、60歳まで引き出せませんので、あくまで「余剰資金」を投資する必要があります。

特にお子様の学費など大きな支出が控える先生は、イデコに投資しすぎないように注意してください。

とは言え、個人事業主の先生でも上限の投資額が年間816,000円ですから、その金額が確保できている状況であれば、投資しすぎの心配はないでしょう。

複利の効果

補足で、投資信託する意味を追加しておきます。

それは「複利の効果」を得るためです。

100円の投資が5%増えると105円になります。これを単純に繰り返すと、3年間では315円になります。

これは「単利」と言います。預金口座での貯金はこのイメージだと思います。

複利は105円になったものが利息も含めて再投資に回ります。

つまり、2年目は105円×5%=110円

3年目は110円×5%=115円という形で、利息も再投資に回るため、同じ利率でも得られる利息が変わってきます。

単利では、3年間で315円でしたが、複利では330円になりました。

当然、投資期間が長くなる程(=複利の期間が長くなる程)、その差は大きなものになります。

この「複利の効果を得ること」こそ、投資信託の重要な意義になります。

まとめ

上記⑤はネガティブに捉えるのではなく、運用結果を楽しみにできると良いと思います。

前回のQ 35でもふれたように、投資は大まかに言えば、「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」の関係があります。

しかし、各商品の運用実績を見ても、きちんと成果が出ているもの、バランスよく結果が出ているもの、長期的な視点で見れば安全性が極めて高いものなど、数多く存在します。

一度決めたら放置するも良し、経済状況を見てリバランスするのも良しです。

最初の数年は大きく増加することはありませんが、複利の効果で投資期間が長くなる程、その成果は大きくなります。

口座で寝ているだけだったお金を起こし、お金に働いてもらいましょう。

先生は本業に専念しながら、時間が経って増えることを楽しみに待ちましょう。