評価療養と選定療養の消費税の取り扱いは?
※最終更新日:2020年6月4日
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
「消費税って、保険診療は非課税で自由診療は課税って知っていますが、評価療養と選定療養はどうなるのでしょうか?」
以前、ある病院の事務担当者様からいただいたご相談です。
ご自身でもネット等でお調べになったようですが、あまりにも医療特有の論点のため、解説がなかったそうですので、今回は少々マニアックですが、評価療養と選定療養、それに患者申出療養まで加えて解説していきたいと思います。
※この記事は次の人にオススメです。
・評価療養と選定療養について、消費税の取り扱いを確認したい人
混合診療禁止
現在の保険診療の制度では、混合診療が禁止されているのはご存知の通りです。
ただし、評価療養と選定療養、患者申出療養は例外的に保険診療との併用が認められています。
これを「保険外併用療養費制度」と言います。
それは、通常の保険診療と変わらない保険給付と患者一部負担からなる「基礎的医療」と、当該評価療養などからなる「特別の料金」で構成されることになります。
制度の概要
制度の具体的な内容について、みていきたいと思います。
(1)評価療養
①先進医療
②治験
③医薬品医療機器法承認後で、保険収載前の医薬品や医療機器の使用
④薬価基準収載の医薬品や保険適用の医療機器の適応外使用 など
(2)選定療養
①差額ベッド
②予約診療
③時間外診療
④大病院の初診・再診
⑤180日以上の入院 など
(3)患者申出療養
将来の保険収載に向けて、データの収集をし、安全性や有効性を確認していくもの。
新たに実施計画を作成し、国が審査するようなものになります。
消費税の取り扱い
基礎的医療は通常の保険診療と変わらない診察や検査ですから、当然、「保険給付+一部負担」となり、消費税も同じく非課税となります。
違いが出るのが、当該評価療養などの部分です。
保険給付でありませんから、患者さんの自己負担となりますが、消費税の取り扱いが異なります。
①選定療養・・・課税
②評価療養・・・原則、非課税(ただし、例外として治験のスポンサーなどからの収入は課税)
③患者申出療養・・・非課税
まとめ
病院・クリニックなどの消費税の取り扱いは、非常に専門的なものになります。
なぜなら、医療制度(保険診療など)を理解していないと、正しい判断ができないためです。
課税・非課税、原則・例外をきちんと把握して、判断していきましょう。
医療に詳しい税理士にご相談いただくのがオススメです。