財務諸表から始める!病院やクリニックの経営改善につながる具体的な取り組みとは?
(最終更新日:2020年4月15日)
病院やクリニックの「財務諸表」を見ていると、いろいろなことが見えてきます。
特に、現場で何か起きていると、財務諸表が「おかしいことが起きてるよ!」と警報を鳴らしてくれます。
財務諸表は医療機関の信頼できる警備員です。
そこで、今回は財務諸表が警報を鳴らした時に、どういった改善策があるのか、具体的なケーススタディで解説していきたいと思います!
※この記事は次の人にオススメです!
・財務諸表を経営改善に活かしたい人
・財務諸表から出た「異常値」に敏感になりたい人
薬品費や診療材料費が高騰したら
具体的に、薬品や診療材料費が収入の伸び以上に増えているケースです。
(1)在庫の管理はきちんとできているか?ミスによる無駄な廃棄は出ていないか
(2)購入量が増えているのであれば、価格交渉のチャンス
(3)単価の高いものについては、他社への切り替えも検討
ポイントは、「高騰要因を認識できている」ことです。
診療の必要に応じて、単価の高いものを購入する・数を増やして購入する・・・どちらもOKです。
認識できていれば、改善は容易です。
発注担当が変わるだけで、悪化したり改善したりします。
財務諸表ベースで良いですので、しっかり毎月確認しましょう。
人件費が高騰したら
人件費の高騰も、財務諸表では分かりやすく出てきます。
(1)人材の採用は計画的に行っているか
(2)人件費に見合うだけの利益目標が達成できているか(部門ごと)
(3)人材紹介会社はその費用に見合っているか
「人数」の問題なのでしょうか、それとも、「単価(=一人当たりの給与)」の問題なのでしょうか。
現場のリクエストを優先すると、ついつい、人数が増えてしまいがちになりますので注意しましょう。
固定費が高騰したら
固定費は種類が多いので、その費目ごとに対策がありますが、とりあえず、下記3つをご確認ください。
(1)委託費の契約内容の見直し
(2)広告宣伝費の費用対効果の測定
(3)保守契約の内容の精査
この3つは比較的見直し効果が高いものになります。
さりげなく、消費税が10%になったことも影響しています。
「金額そのものが増えていないか」ということのみならず、「その費用に見合うサービス等か」という両方の視点で考えてみましょう。
他にも、各費用ごとに内容を精査し、検討していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、財務諸表からの警報ということで、「薬品・診療材料」・「人件費」・「固定費」と3つの区分ごとに分け、各々3つずつ、具体的な改善策を解説しました。
もちろん、改善策はこれら以外にもたくさんあります。
自院で取り組みやすいものからでOKです。
大切なことは、コツコツ継続して取り組むということ。
成果は必ず財務諸表に表れます。
そして、それが次へのモチベーションにもつながります。
経営改善において頼れるパートナーと共に、頑張っていきましょう!