MS法人での自己株式取得の活かし方とはQ206

 

こんにちは。

「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。

自社が発行した株式を自社自身が取得することを「自己株式」といいます。

先生方には馴染みがないと思います。

なぜなら、医療法人は自己株式の取得ができないためです。

それでも、MS法人は自己株式の取得が有効に働くことがありますので、その活かし方を基本から解説していきたいと思います。

※この記事は次の人にオススメです

・MS法人を保有している先生

実質的に減資と同じ

自己株式の取得は「資本の払戻し」とされます。

MS法人に対してお金等を出資して株式を取得していたわけですが、その反対に「株式を返して、お金をもらう」という流れになります。

この取引に際して、「みなし配当」という所得税が課税される可能性が高い点が懸念されます。

但し、株式が減るわけですから、取得した自己株式以外の株式が将来の承継対象となります。

後継者への株式移転について、贈与税や将来の相続税を抑える効果が期待されます。

先生の所得税と後継者の贈与税・相続税という節税シミュレーションが必要となります。

自己株式を取得するメリットとは

法人側のメリットは、実は売却する先生方のメリットと同じと言っていいと思います。

それは売却することによって「株式を現金に換える」ことができるという点です。

後継者に法人からお金を渡すことができ、後継者は法人からお金を手にすることができます。

これは何に使っても良いお金となり、相続税の納税資金にもなり得ます。

MS法人の内部留保がしっかり貯まっている状態で、先生個人へどのように払い出すかと悩まれるケースもあると思います。

①給与

②配当

③退職金

④自己株式

これまでの①~③に加えて、④の自己株式の取得も個人へお金を流すという選択肢になりうるものです。

ぜひ、選択肢のひとつに加えて、有効に活用したいですね!

次回も「自己株式」について、別の角度からも検討していきたいと思いますので、お楽しみに!