IT導入補助金なら医療法人でも申請できる!
こんにちは。
「医療経営 中村税理士事務所」の中村祐介です。
「補助金とか助成金って、何かないですかね?」
こうしたご相談を顧問税理士にした経験がある先生も多いのではないでしょうか。
実は「医療経営に専門特化した税理士」ほど、「業種特化していない普通の税理士」に比べ、補助金の知識や経験が乏しい傾向にあります。
それはなぜか。
国の補助金の多くは、医療法人が対象になっていないからです。
そこで今回は、医療法人でも使える数少ない補助金の代表格である「IT導入補助金※」について、解説していきます。
※医療法人の場合、職員300人以下
これを読んで、設備投資で業務を効率化し、かつ、IT導入補助金で費用負担も軽くしていきましょう!
資金繰り改善にも効果的です。
※この記事は次の人にオススメです。
・IT導入補助金を申請したい人
・IT導入補助金に興味がある人
IT導入補助金とはこんな補助金
IT導入補助金は、「IT導入支援事業者」から補助対象として「登録を受けたITツール」を購入した場合に、補助金申請の対象となります。
つまり、とりあえずITツールを購入し、後日、領収書を持ってどこかに申請する・・・というようなものではないということです。
あくまでも、IT導入支援事業者が主導となり、補助対象となるITツールを購入することが前提となります。
つまり、主導となるのはIT導入支援事業者であるため、税理士はお客様からのご相談に乗ったり、資金繰りへの影響をアドバイスしたりするだけで、手続き上は出る幕がありません。
実務上は、IT導入支援事業者の方から、「このITツールはIT導入補助金が使えるので、実質これだけの費用負担で取得できますよ!」という営業上の決めゼリフ(!?)がありますので、皆様が申請対象になるか否かで迷うことはないと思います。
申請類型は3種類
申請類型は3種類あり、難しく感じるかもしれません。
とはいえ、補助率の違いがメインであり、IT導入支援事業者がしっかりナビゲートしてくれますので、類型の違いで困ることはありません。
(1)A類型
補助額の範囲 30万円〜150万円未満(補助率1/2)
(2)B類型
補助額の範囲 150万円〜450万円 (補助率1/2)
(3)C類型(Cー1:Cー2)
補助額の範囲 30万円〜450万円(補助率Cー1:2/3、Cー2:3/4)
A類型とB類型が「通常枠」だったのに対し、C類型はコロナ対策として設けられた「特別枠」となります。
6つの業務プロセスのうち、1つ以上該当でA類型、4つ以上該当でB類型となりますが、この判定はIT導入支援事業者がしてくれますので、ご安心ください。
C類型についても、継続的な製品供給を目的とする「甲」にのみ該当するCー1、非対面・遠隔を可能とする「乙」やテレワークのための「丙」に該当するCー2に分けられますが、A・B同様、IT導入支援事業者にお任せすれば問題ありません。
余談ですが、実務上の注意点として、B類型とC類型については、本来「賃上げ目標」がありますが、保険医療機関については対象外になっています。
実務上のミス事例とポイント
公募スケジュールをまず確認し、交付決定までITツールの導入はできません。
先に購入ではありません。
唯一、C類型だけは先に購入しても、遡って申請することができますが、補助金という特性上、「補助金出る前提で購入したのに、不採択で出ない」というオチにもなりかねません。
基本的には、交付決定→購入という流れでいきましょう。
また、申請には「gBiz」IDというアカウントをとる必要があります。アカウントを取得するのに2週間程度かかるようですので、スケジュール管理もしっかりするようにしましょう。
補助金全般に言えることですが、実務上の大きなポイントは「申請書をしっかり作文をすること」です。
何をしたいのか、しっかり伝える必要があります。
このコロナ禍の影響で補助金の採択率は上がっていると言います。
しっかり準備をして、きっちり補助金受給したいですね。
まとめ
基本的には、IT導入支援事業者のナビゲートに委ねておけば大丈夫です。
資金繰りや投資の可否・効果については、顧問税理士にご相談ください。
また、IT導入補助金のみならず、設備投資減税が使えるものも多数ありますので、設備投資の際は必ず顧問税理士にご相談ください。
最後にもう1点。
過去3年以内の補助金受給者は採択上、減点となります。
ということは、初めての医療法人や介護施設にはチャンスです。
経営効率を高めてくれるITツールであれば、積極的にチャレンジしてみましょう!
※設備投資減税の基本についてはこちらをご覧ください。
※中小企業投資促進税制についてはこちらをご覧ください。
・「Q85 病院やクリニックで、中小企業投資促進税制を使って節税する!」
※中小企業経営強化税制についてはこちらをご覧ください。